アナフィラキシーとエピペンについて
- 2022.08.19
色々なものに対する”アレルギー”の存在は一般的に広く知られるようになりました。 アレルギーの原因は本当に様々なものがあり、その症状の出方も色々なのですがその中でも特に強いものとして”アナフィラキシー”があります。
アナフィラキシーはアレルギーの原因となる物質を触れた後、数分から数十分以内という短い時間で身体の広い範囲に急激な症状が起きるアレルギー反応です。
アナフィラキシーはわずかな時間で生命にかかわるほど強い症状を引き起こすこともあり、迅速な対応が必要になります。 治療の第一選択はアドレナリンというお薬の筋肉内注射ということになるのですが、発症すると急激に症状が進むアナフィラキシーに対応するため平成17年3月から日本国内でもアドレナリン自己注射液が処方されるようになりました。
こちらがそのお薬、エピペンという名前です。
過去にアナフィラキシーを起こした経験のある方、医学的にアナフィラキシーを起こす可能性が高い方に対して処方することができます。毎日携帯していただき、年に一度、医療機関で新しいものと交換していきます。
エピペンの処方を受けた方にアナフィラキシーを疑わす症状が出た場合、速やかに使用していたくのが望ましいのですが、小児科の場合だと年齢によってはお子様ご自身での使用が困難な場合もありますので、お子様本人だけでなくご家族や周囲の方にも使用方法を知っていただき、常に携帯していただくことが大切になります。
近年では学校や保育施設などでエピペンの使用に対応してくれる場合もあり、周知もされてきたとは思うのですが、救急や病院で診療をしているとエピペンの処方は受けたけれど使用されずに搬送されてくる方が少なからずおられます。
幸い院長が診療にかかわった方で重大な結末に至った方はありませんが、エピペンの使用が遅れた結果、大きなことになる可能性も否定はできません。 エピペンの処方を受けていただくのもそうですが、同時にアナフィラキシーとエピペンの使い方について、多くの方に知っていただければと願ってやみません。
以下のリンク先はアナフィラキシーやエピペンに関する代表的なサイトです。
アナフィラキシーってなあに.jp https://allergy72.jp/
院長は毎年数十回は映画館に行くくらい映画好きな人なのですが、”サムライエッグ”という短編のアニメ映画は強い食物アレルギーがどんなものか知っていただく手始めとして良く出来ていましたので、興味がある方は一度見ていただければと思います。