まだ間に合う? 舌下免疫療法。
- 2022.08.02
突然ですが ”舌下免疫療法” という言葉をご存じでしょうか。
アレルギー性鼻炎に対する治療は飲み薬や点鼻薬などの対症療法が基本でしたが、アレルギーを起こす原因になる物質を体に取り込むアレルゲン免疫療法はアレルギーの治療方法の中で唯一アレルギーの体質そのものを改善することが期待できる方法です。
舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法のひとつで、ハウスダストの一つであるダニに対するものと、スギ花粉に対するものの二種類の治療薬があり、5歳から保険で治療を受けることができるようになったことで、小児科でも多く使われるようになってきました。
治療の対象はダニ、スギに対してアレルギーがあることが検査などからはっきりしている方で、当院ではダニアレルギーに対してミティキュア、スギアレルギーに対してシダキュアというお薬を使っています。
お薬の使い方ですが、”舌下”の名前の通り一日に一度、舌の下にお薬を含んでいただき1分置いた後飲みこみます。
飲み始めてすぐに効くというお薬ではありませんが、飲み続けていただくことで調査によっては8割をこえる方のアレルギー症状が改善したともされています。
近年増えている花粉症に対する根本的な治療としてもお勧めできるのですが、重度のアトピーや喘息を持った方でダニやスギのアレルギーも持つ方が舌下免疫療法を行うことでアトピーや喘息にも良い効果が出ることもあり、色々な可能性を感じています。
ダニに対するミティキュアはいつでも始めることができるのですが、スギに対するシダキュアはスギ花粉の飛散が始まる3か月以上前から始める必要があり、当院では6月から10月末までを開始期間としています。
今年度、シダキュアを開始できる時期はあと2か月ちょっと、
ご興味がある方はぜひ外来でご相談ください。